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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)230号 判決 1949年7月19日

被告人

具鎭岩

主文

本件控訴を棄却する。

理由

弁護人浅井享の控訴趣意は別紙の通りである。

第一点について。

本件訴訟記録並に原判決の記載を精査するに、原判決は、その犯罪事実として、起訴状記載の公訴事実を全部引用し、その他の事実欄の記載内容は、すべて情状として記載したものであることが明かに認められる。若し、原審が犯罪事実として記載するのであれば、その犯罪の日時、場所、犯罪構成要件に該当する事実を具体的に記載した筈であるが、原審がこれを爲さず、被告人の経歴、素行等を記載するに当りその素行不良を詳細に説明したものに過ぎないから、右事実欄記載内容は、被告人の情状を記載したものと見なければならない。果して然らば、原審は、公訴事実に包含されない犯罪事実を認定したものと謂うことができないから、論旨は理由がない。

以下省略

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